わんこにとってこれからの季節危険な植物たち
- pomiliekobe
- 2月16日
- 読了時間: 5分
更新日:2月17日

以前、秋に気をつけたい植物”銀杏”についてお話をさせていただきました。今回はこの時期から春にかけてお散歩中気をつけたい植物、中でも公園や道路脇、庭でよく見かける植物についてお話ししていきます。
①ナンテン
冬になると赤い実をつけるナンテン。実だけでなく、葉っぱにも有毒な成分が含まれています。症状としては嘔吐・下痢・痙攣を引き起こします。場合によっては呼吸困難や昏睡状態に陥ることもあります。赤い実の部分が地面に落ちている場合も多いので拾い食いに注意しましょう。

②スイセン
早いものは11月ごろから、遅いものは4月ごろから開花します。症状としては嘔吐・下痢・大量のヨダレを出すなどの症状がみられます。大量に摂取してしまった場合は痙攣や低血圧などの症状を引き起こす危険もあります。

③シクラメン
10月から3月頃が開花時期です。葉や根から有毒物質を分泌、特に球根の部分が最も有毒と言われています。症状としては嘔吐・下痢・徐脈・血圧低下などがみられます。

④福寿草
たんぽぽのような見た目をしており、2月から4月ごろによく見かける植物です。根っこを含む全てに有毒成分が含まれており、症状としては血圧上昇・呼吸困難・心臓麻痺を引き起こす恐れがあります。

⑤桜
花びらの部分は愛犬にとって毒性を持つ成分は含まれていないため、口に入れても問題はありません。しかし、桜の葉や種子、果肉、樹皮には有害物質が含まれているため注意が必要です。症状としては吐き気・嘔吐・頻呼吸・ふらつき・痙攣などがあります。
また、桜の木を好む毛虫にも注意が必要です。毛虫の種類によっては毛の部分に毒があるため、触れると皮膚炎を起こす可能性があります。皮膚炎を起こすと、腫れたり痛みや痒みに襲われたりします。しかし、毛虫の毛は肉眼では見えないレベルの細かさのため、毒性のある毛が飛散し鼻の中に入ったり皮膚についたりして症状が出ることがあります。毒のある毛が体についていそうな場合は、擦ると毒が皮膚や粘膜に刷り込まれる可能性があるためこすらず水でよく洗い流すことが必要です。知らずに踏んでしまう可能性もあるためなるべく毛虫が好む木(椿、サザンカ、柿の木、桜など)を避けて散歩をした方が良いでしょう。

⑥チューリップ
早いものだと3月下旬から開花します。特に球根の毒性は極めて高く大変危険です。症状としては嘔吐・下痢・血便・皮膚炎・痙攣発作・呼吸困難を引き起こします。ご自宅の庭で栽培されている方は掘り起こして遊んだり食べたりしないよう注意が必要です。

⑦ヒヤシンス
3月から4月にかけて開花します。ヒヤシンスは植物全体毒性が強く、特に球根は毒性が強いので要注意です。症状としては嘔吐・下痢・胃腸炎・腎障害・皮膚炎を引き起こします。

⑧スズラン
4月から6月にかけて開花します。植物全体毒性が強く、特に球根は毒性が強いので要注意です。スズランは観賞用としても人気のお花ですが、非常に毒性が強いので花瓶に入っている水を飲むだけでも中毒症状が出ると言われています。致死量もかなり少ないため、接触させないようにしましょう。症状としては嘔吐・下痢・腹痛・運動失調・めまい・多尿・四肢の脱力・心拍数低下・不整脈・痙攣・最悪の場合は心臓麻痺などを引き起こす可能性があります。

⑨ツツジ
4月から5月にかけて開花します。つつじは植物全体に毒性があります。症状としては、大量のよだれ・嘔吐・下痢・筋力低下・視力障害・痙攣・昏睡が見られ、最悪の場合は死亡する場合もあります。

⑩キンポウゲ
4月から6月にかけて開花します。初めて名前を聞く方も多いと思いますが、道路脇などで自生している植物です。植物全体に毒性があります。葉や茎を折ると生じる成分が皮膚についたり、舐めてしまったりしても危険です。症状としては口腔内や消化器の腫れ、炎症・嘔吐・下痢・血便・幻覚による異常行動・瞳孔散大があります。最悪の場合は死亡する例もあります。

⑪イラクサ
1年中自生している野草です。茎や葉の刺毛に毒性があります。症状としては口内炎症・大量のよだれ・皮膚炎・筋力低下・震え・痙攣・呼吸困難を引き起こします。

⭐︎除草剤・防虫剤にも注意が必要!
桜の公園や道路脇などの草花が伸びてくると、それに伴い害虫も多く発生します。そのため、除草剤や防虫剤などを使用している場所も多いです。どちらも強い毒性があるため愛犬が口にしないよう注意が必要です。除草剤や防虫剤を使用したことは必ずしもお知らせされません。そのため、一気に雑草が枯れたり刈られたりした場所は念のため散歩コースから外すと安心です。ご自宅で使用する場合は犬に有害な成分が使われていないか念入りにチェックしましょう。
犬は好奇心旺盛で、こうした危険な植物をかじる、舐める、飲みこむといったことは少なくありません。
犬にとって有害な植物を口にすると時には命に関わる問題を生じることがあります。
愛犬のオーナーとして、こういった植物についての知識を持ち、日々の散歩コースに有害植物がないか把握しておくことが大切です。初めて散歩する場所においても、愛犬が有害植物に触れてしまわないよう細心の注意を払いながら歩くことが必要です。また、誤って口に含んでしまった場合、すぐに出せるよう日頃から”出せ” ”ちょうだい”ができるようにトレーニングしておくことも大切です。もちろん拾い食いをしないようにトレーニングすることも必要です。
愛犬が有害植物を口にしてしまった、舐めてしまった可能性がある、など少しでも不安を感じる場合は早めに動物病院を受診するようにしましょう。
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